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心霊写真の歴史
写真の発明は19世紀フランスである。発明直後から「写るはずのないものが写る」という所謂「心霊写真」が多くあり、一時大ブームとなった。当時の心霊写真は現在のそれと異なり、非常に鮮明に「霊」が写っているのが特徴である。肖像写真においてもどちらが「被写体」でどちらが「霊」か見紛うほどに鮮明であったという。当時の写真撮影である非常に長時間同じ体勢を維持して、ゆっくりと像を焼き付けていくということと関係があるのかもしれないが定かではない。
そのため、心霊写真を偽造する写真師も多く現れ、多くの偽造心霊写真もあった。しかし、当時は写真における「ピクトリアリズム」という一種の偽造的手法で写真芸術を作るという手法があり、偽造そのものに対してさほど大きなアレルギーはなかったと推測される。現代において偽造心霊写真が忌みされるのと比較すると非常に興味深い現象である。
日本においても多くの心霊写真が紹介された。心霊写真自体は戦前から存在したが、当時は写り込んだ人の姿を死んだ身内などと解釈し、大切にする風潮があったようである。戦後、カメラの一般家庭への普及に伴い、旅行先などで撮影した写真に「霊が写っている」などと騒がれる事例が増加した。そのような写真は往々にして不鮮明であるため(岩の上や茂みの中に顔が見える、不思議な光が写っているといったもの)一般人には真偽の判定が難しく、いわゆる心霊研究家による鑑定というシステムが成立した。また撮影された「霊」は通常、撮影者とは無関係であるため愛着の対象とならず、逆に撮影者・写真の所有者に災い(霊障)をもたらす存在という言説も流布していく。特に1990年代の心霊写真ブームは一般に心霊写真が知られる契機となり、心霊写真の量も急増した。しかし、21世紀に入り、デジタルカメラが広く普及するに当たり、急に心霊写真は減少していった。理由はわからないが、心霊写真はデジタルカメラでは撮影が難しいようだ。