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現像に使う薬品
 現像に使う薬品にはいろいろあるが、ここでは白黒フィルム用の代表的な物を説明する。


単体の薬品
メトール(Metol, N-methyl-p-aminopenol hemisulphate)
現像主薬。ほとんどの白黒現像に使われている薬品である。この量が多いと軟調に仕上がる。
ヒドロキノン(ハイドロキノン/hydroquinone)
補助現像剤として使われる。メトールと組み合わせ量を変化させることによって、感度や粒子状態を変化させることができる。ヒドロキノンの量が多いと硬調に仕上がる。
フェニドン(Phenidone/1-phenyl-3-pyrazolidone)
現像主薬として使われる。通常はヒドロキノンと組み合わせて使う。増感性能がある。若干軟調に仕上がるがメトールよりも微粒子で粒状性が良い傾向がある。
ダイメゾン類(Dimezone, Dimezone S, Phenidone B)
フェニドンにはアルカリ性溶液中で加水分解する欠点があるが、これを改良したもの。ピラゾリドン環の4位置がメチル基やヒドロキシルメチル基で置換されている。
アスコルビン酸塩(ビタミンC)とその異性体
メトールやフェニドンと組み合わせて白黒現像液に使用する例が出てきている。ネガの微細な描写に優れ、環境に対する負荷もハイドロキノンより優れるが、保存性に優れ、性能の安定した現像液の処方は難しい。
亜硫酸ナトリウム(sodium sulfite)
現像主薬の酸化を防止するために利用される。また、別の作用を利用し、定着液の保存剤や水洗促進剤としても使われる。
硼砂(borax)
pH 9 前後で優れた緩衝作用のあるアルカリ剤で、微粒子のフィルム現像液で現像促進剤に用いられることが多い。
炭酸ナトリウム(sodium carbonate)
現像主薬に加えて現像を促進する。pH 10 前後で緩衝作用があるため、主に高コントラストフィルム現像液やプリント現像液に用いられる。
アミン類(amines)
二級アミンと三級アミン(特にアミノアルコール類)は、特にフィルム現像液の高濃縮度の製品中で、アルカリ剤、溶剤などと多機能に活用される。一級アミンはハロゲン化銀の溶解作用が強く、適さない。
臭化カリウム(potassium bromide)
カブリ防止に使われる。
ベンゾトリアゾール(benzotriazole)
カブリ防止に使われる。印画紙現像液に用いると、現像銀の色調が冷黒調になる傾向がある。
チオ硫酸ナトリウム(ハイポ)
定着液の主要薬品である。
チオ硫酸アンモニウム
迅速定着液の主要薬品である。チオ硫酸ナトリウムよりも定着作用が強力で、定着処理時間を大幅に短くすることができる。
酢酸
現像停止液の主要薬品である。現像液のアルカリ性を酢酸の酸性で中和させて現像能力を停止させる。

処方
 単体の薬品を組み合わせ、色々な現像液が作られている。

D-76
コダック社のレシピ。1927年からある有名な処方。軟調で微粒子に仕上げるときに使う。レシピが公開されているので自前で混合もできるほか、混合されているものを購入することもできる。
ミクロファイン
富士フイルムの処方。市販されている。