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保存性
フィルムが作るのは一次画像であり、これは撮影レンズを通った情報をこそ、含んでいる。 オルソクロマチックのように特定の周波数領域に限られた感度、またはパンクロマチックの幅広い感度といった違いはあっても、色(波長)に頼って対象を捉える点は同様である。 現像方法の違いにより最終的なネガやポジに差は出るが、現像が終われば画像はほとんど変化しない。理想的な状態で処理され保存されたフィルムは、実質的に100年以上変わらず性能を発揮する。 金またはプラチナの色調を持つプリントは、基本的にベースの寿命に制限されるのみである。それは数百年持つであろう。
2007年時点で、コンピュータを中心としたデジタル媒体が登場してから50年しか経っていないので、デジタル写真の保存性はフィルムほどには分かっていない。 しかし、保存に関して乗り越えなければならない観点が、少なくとも三つ存在する。記録媒体の物理的耐久性、記録媒体の将来的な可読性、保存に使ったファイルフォーマットの将来的な可読性である。
多くのデジタル媒体は長期的にデータを保管する能力はない。 例えば、磁気ディスクと磁気テープは20年でデータを失う。フラッシュメモリーカードはそれよりやや短い。高品位の光学メディア(光磁気ディスク = MOなど)は、それらより耐久性のある記録媒体だろう。
記録媒体の将来の可読性も重要である。 記録媒体が長期間データを保持できたとしても、デジタル技術のライフスパンは短いので、メディアを読み取るドライブが無くなることがある。 例えば、5.25インチフロッピーディスク(FD)は1976年に初めて発売されたものであるが、それを読めるドライブは、1990年代後半には既に珍品となっている。後継の3.5インチFDにしても、ドライブを装備するパソコンは減少している。Zipに至っては、1994年の発売開始後数年で売れ行きが落ち、2007年時点ではメディア・ドライブとも入手困難になっている。
また、データをデコードできるソフトウェアの存続も関係する。 例えば、現代のデジタルカメラは画像をJPEGフォーマットで保存するが、このフォーマットは十数年前に登場した。(国際標準化機構(ISO)・国際電気標準会議(IEC)で規格化されたのが1994年) 現在、厖大な数のJPEG画像が生み出されているが、JPEGは100年後も読めるのだろか。 RAWフォーマットの将来も不確定である。これらのフォーマットの一部は、暗号化されたデータまたは特許で保護された専用データが含まれているが、突然メーカーが放棄する可能性がある。カメラメーカーがRAWフォーマットの情報を開示しないならば、この事情は継続される。
しかし、デジタルにおけるこれらの障害にも対策がある。 例えば、オープンでよく知られたファイルフォーマットを選ぶこと。こうすることで、将来ソフトウェアがそのファイルを解読できる可能性が増す。 また、将来読めなくなる、またはサポートされなくなる可能性があるフォーマットでデータを保存するのをやめ、品質を低下させることなく新しいメディアにコピーすること。これはデジタルメディアの特徴である。 但し反対に、劣化を愉しむ文化があるのも事実ではある。
像の真正性
フィルム画像の合成は難しい。それゆえ、画像の真正性を重視する場合(パスポートや査証の写真など)、フィルムはデジタルよりも安全かも知れない。 デジタル画像は簡単に改変できてしまうからである。
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posted by シンゴ at 00:00
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